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池内 宏知; 小山 真一; 逢坂 正彦; 高野 公秀; 中村 聡志; 小野澤 淳; 佐々木 新治; 大西 貴士; 前田 宏治; 桐島 陽*; et al.
JAEA-Technology 2022-021, 224 Pages, 2022/10
燃料デブリ試料の核種・元素量の分析に向けて、酸溶解を含む一連の分析技術を確立する必要がある。本事業では、分析精度の現状レベルの把握と不溶解性残渣発生時の代替手法の確立を目的として、ブラインド試験が実施された。模擬燃料デブリ(特定の組成を持つ均質化された粉末)を対象に、日本国内の4分析機関においてそれぞれが有する溶解・分析技術を用いて、全体組成の定量値が取得された。各技術の特徴(長所・短所)を評価した結果に基づき、燃料デブリの暫定的な分析フローを構築した。
渕崎 員弘*; 藤井 保彦*; 大石 泰生*; 大村 彩子*; 浜谷 望*; 片山 芳則; 岡田 卓
Journal of Chemical Physics, 120(23), p.11196 - 11199, 2004/06
被引用回数:22 パーセンタイル:58.16(Chemistry, Physical)SnIの低圧結晶相の液相線の位置を、約3.5GPaまで圧力下のX線回折その場測定によって決定した。液相線はSimonの式のような単調に増加する曲線にうまく当てはめることはできず、1.5GPa付近で折れ曲がり、それ以降はほとんど水平になる。この結果を分子動力学シミュレーションの結果と比較した。シミュレーションに採用されたモデルポテンシャルを改良する方法について議論する。
Brazhkin, V. V.*; 片山 芳則; 稲村 泰弘; Kondrin, M. V.*; Lyapin, A. G.*; Popova, S. V.*; Voloshin, R. N.*
JETP Letters, 78(6), p.393 - 397, 2003/06
被引用回数:31 パーセンタイル:77.98(Physics, Multidisciplinary)結晶,液体,ガラス状BOのX線回折その場実験と回収実験による構造研究を9GPa, 1700Kまでの範囲で行い、平衡及び非平衡相図を得た。特に、融解曲線,結晶BOI及びBOIIの安定領域,液体BOにおいて約7GPa付近で起きる高密度相への一次相転移的な急激な変化を含む液体やガラス状態の高密度化や結晶化など相変態が起きる領域を決定した。回収実験からは、ボロンの量が少ない非化学量論的な液体では、高密度液体への相変態が低い圧力で起きる可能性が示された。BOは、ガラス形成物質として、構造不規則系における構造変態が液体とガラスの両方の状態で初めて調べられた例となった。
椎名 保顕; 稲垣 照美*
日本機械学会論文集,B, 69(681), p.1233 - 1241, 2003/05
潜熱蓄熱の蓄熱媒体を多孔体金属に含浸させた複合蓄熱体について、実効熱伝導率が融解特性に及ぼす影響を解析的に調べ以下の結論を得た。解析で想定した蓄熱媒体はOctadecane,水,LiCO,NaCl,多孔体金属は銅,アルミニウム,炭素鋼である。(1)複合蓄熱体の実効熱伝導率を向上させることにより融解時間を減少させることができることを示した。蓄熱媒体の熱伝導率が低いほど、また、伝熱流体の熱伝達率が高いほど融解時間の減少率は大きくなる。(2)Stが小さい場合に、融解時間を表す近似解析結果を求め、数値解析結果とよく一致することを示した。(3)複合蓄熱体を用いるとフィンの場合より数倍から十倍程度相変化時間を短縮できる可能性がある。(4)非一様熱伝達率を用いた場合と、一様熱伝達率を用いた場合の融解時間の差はたかだか10%程度であり、一様熱伝達率を用いても大きな誤差は生じない。
片山 芳則
放射光, 14(2), p.10 - 14, 2001/04
最近、われわれはSPring-8の原研ビームラインを用いた高温高圧X線回折その場観察法によって、液体リンの二つの特徴的な構造の間で急激な圧力誘起構造変化が起こることを見いだした。本解説では、この研究について紹介する。リンに分子性液体と重合した液体の二つの構造があること、その間で可逆的な変化が起こること、変化の途中で二つの構造が共存することなどは、この変化が一次の液体-液体相転移であることを強く支持している。さらに、X線回折実験による融点の圧力依存性の決定から、融解曲線の傾きがこの変化の起こる圧力で不連続に変化することが示され、この二つの液体相が実際に異なった密度を持っていることがわかった。
片山 芳則
固体物理, 36(4), p.217 - 222, 2001/04
最近、われわれはSPring-8の原研ビームラインを用いた高温高圧X線回折その場観察法によって、液体リンの二つの特徴的な構造の間で急激な圧力誘起構造変化が起こることを見いだした。本解説では、この研究について紹介する。リンに分子性液体と重合した液体の二つの構造があること、その間で可逆的な変化が起こること、変化の途中で二つの構造が共存することなどは、この変化が一次の液体-液体相転移であることを強く支持している。さらに、X線回折実験による融点の圧力依存性の決定から、融解曲線の傾きがこの変化の起こる圧力で不連続に変化することが示され、この二つの液体相が実際に異なった密度を持っていることがわかった。
福本 雅弘; 西川 義朗*; 加川 昭夫; 河村 和廣
JNC TN8400 2001-002, 23 Pages, 2000/12
TRU廃棄物処分研究におけるアスファルト固化体の影響評価の一環として、放射線(線)によるアスファルトの劣化により生成する可溶性有機物の種類と濃度について確認した。また、硝酸塩の影響についても合わせて確認した。その結果、放射線(アスファルトが処分環境で100万年の期間に受ける線の吸収線量に相当する10MGy)によるアスファルトの劣化により生成される可溶性有機物のギ酸、酢酸及びシュウ酸濃度はそれぞれ、約50mg/dm3、約30mg/dm3及び約2mg/dm3とValckeらがEurobitum(ブローンアスファルト、MexphaltR85/40)の放射線分解の劣化生成物の影響をPuとAmを用いた試験により実施し、Boom Clay間隙水中のPuとAm溶解度は増加しなかったと示した時のギ酸、酢酸、シュウ酸の濃度より低濃度の溶出であった。また、硝酸イオンが多量に存在しても、TOC、ギ酸、酢酸、シュウ酸濃度の変化は微量であった。すなわち、放射線により硝酸イオンが亜硝酸イオンとなる過程でアスファルトの酸化的分解を促進することにより、錯体の有機配位子となりうるギ酸、酢酸を溶出させることは少ないといえる。このことから、アスファルト固化体の放射線(線)による劣化により溶出してくる可溶性有機物とTRU核種との錯体形成によるTRU核種の溶解度上昇、TRU核種の分配係数低下は限定的である。
安彦 兼次; 高木 清一*; 加藤 章一; 永江 勇二; 青砥 紀身; 斉藤 淳一
JNC TN9400 2000-059, 43 Pages, 2000/05
本研究では、現状技術で製作可能な高純度鉄および高純度鉄基合金の材料諸特性を把握し、先進的高速炉の構造材料および機能性材料への適用見通しを得ることを目的とする。そこで、まず10kg程度の高純度鉄及び高純度鉄基合金を超高真空対応のコールドクルーシブル溶解炉を用いて溶製した。次に高速炉の特徴である高温ナトリウム環境と高純度鉄および高純度鉄基合金との共存性、常温および高温における引張特性について検討した。また、高純度鉄基合金の高速炉構造材料に特化された性質の一つである高温クリープ特性を調べるために550におけるクリープ試験を行い、その特性を評価した。さらに、高純度鉄の基本的材料特性である熱膨張係数や比熱、電気比抵抗などを測定し、機械的特性等含めて高速炉構造材料への見通しを評価した。特性試験および評価より以下の結果が得られた。(1)超高真空対応のコールドクルーシブル溶解炉を用いて10kg程度の高純度鉄および高純度50%Cr-Fe合金を溶製することができた。(2)常温および高温における変形挙動を理解するために高純度50%Cr‐Fe合金の引張試験を行った。その結果、高純度50%Cr-Fe合金は高温においても高強度でかつ延性を有していることがわかった。(3)高純度50%Cr-Fe合金の物理的特性(熱膨張係数や比熱等)を測定した。高純度50%Cr-Fe合金の熱膨張係数はSUS304よりも小さく、高速炉構造材料として有望であることがわかった。(4)ナトリウム腐食試験の結果、普通純度鉄は重量減少を示したが、高純度鉄は重量増加を示した。また、普通純度鉄は粒界近傍に著しい腐食が生じていたが、高純度鉄は粒界にも腐食は生じていなかった。(5)高純度50%Cr-Fe合金の550でのクリープ試験を実施した。その結果、短時間側で高純度50%Cr-Fe合金のクリープ破断強さは改良9Cr-1Mo鋼よりも高強度であるが、長時間側では同程度の強度であった。一方、クリープ破断伸びおよび絞りは改良9Cr-1Mo鋼より若干低下した。
加藤 猛彦*; 浅山 泰
JNC TN9400 2000-047, 114 Pages, 2000/03
溶接時に生じる残留応力を、汎用有限要素コードにより予測することができれば、FBRプラントの強度評価、余寿命評価の信頼性の向上に大きく寄与することができる。本研究では、FINASを用いて残留応力解析を行う手法を検討した。まず、簡易モデルを用いてパラメータを振って予備解析を行い、基本的な手法を提案した。本手法の要点は以下の通りである。(1)熱伝導解析は、予め層数分のモデルを作成しておき、順次データを受け渡す。(2)母材および溶接金属の構成則は多直線近似を用い、硬化則は等方硬化則とする。(3)金属の溶融状態は、応力が発生しないようにユーザサブルーチンで制御する。(4)入熱時の溶接金属の線膨張率は、零と置く。次に、本手法を用いて、狭開先TIG溶接を想定した5層の平板突合せ継手および管の突合せ継手の残留応力を予測し、既往研究結果と比較した。両者は良く一致し、本提案手法の妥当性を確認することができた。
岡村 信生; 米澤 重晃
JNC TN9400 2000-034, 48 Pages, 2000/03
現在、FBR(Fast Breeder Reacotr)の実用化を目指した研究開発が進められており、社会に受け入れられる核燃料サイクルを構築するために幅広い技術を対象に調査・研究が行われている。再処理に関しては、以前は使用済燃料からUとPuを効率よく取り出すことが課せられた唯一の課題であったが、現在、核燃料サイクルシステムを構築する上で再処理に求められる事項は多岐にわたり、それらの要求へ十分に答えていく必要に迫られている。再処理技術の幅広い検討の一環として、LWR(Light Water Reactor)とは異なりFBRでは低除染の燃料が許容されることから湿式再処理のみではなく乾式再処理の研究が始まり、溶融塩や液体金属を用いた電解・抽出、元素間の蒸気圧差を利用した揮発・凝縮等の様々な手法を組み合わせたプロセスが提案されている。乾式再処理は湿式再処理ほど実証プラントの経験が多くないため、工学規模のプラントを考える上ではプロセスフロー等に未だ多くの検討余地がある。そこで乾式再処理システムの設計を行う上で最も基本となる物質収支を解析・評価する時には、工程の追加等の変更に対して柔軟に対応する必要がある。本研究は、この要求を満たす乾式再処理の物質収支評価コードを開発することを目的としている。
吉井 文男; Darwis, D.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三
Radiation Physics and Chemistry, 57(3-6), p.417 - 420, 2000/03
被引用回数:64 パーセンタイル:95.8(Chemistry, Physical)生分解性のポリカプロラクトン(PCL)は結晶融点が60Cという耐熱性のない材料である。このため、固相(室温)溶融相(80C)及び過冷却相(80Cで融解後45Cで保持)で照射橋かけを行い、耐熱性や橋かけ構造導入後の生分解性を調べた。その結果以下のような事実を見いだした。(1)三つの相状態の中で過冷却照射が最も橋かけしやすい。橋かけのG値は、固相は0.27,過冷却相0.7,溶融相0.45である。(2)過冷却相照射PCLは高い耐熱性を示し、60Cから150Cに向上した。(3)土壌埋設及び活性汚泥による試験では、生分解性が照射試料の方が未照射PCLよりも分解しやすい。これらの新しい事実は、生分解性ポリマーの応用分野の拡大に有益である。
馬場 信一; 鈴木 世志夫*; 石原 正博; 林 君夫
第21回日本熱物性シンポジウム講演論文集, p.360 - 362, 2000/00
HTTRを用いた照射試験に必要な温度情報を得る手段として、Bi-Sb合金の融解・凝固反応を利用した方法について実験と検討を行った。その結果、次に示すようなことが明らかとなった。(1)7組成のBi-Sb合金を溶解製造した直後の金属組織は、高Bi組成ではデンドライト相が、高Sb組成では粒界腐食相が表出し、中間組成ではウィドマンステッテン組織が観察された。(2)昇温時その場観察では、固相線温度付近から黒色丸形状の局部融解相が現出し、液相線温度になるとほぼ全表面に拡大した。(3)試料表面の成分元素分析の結果、高Bi合金ではSbがデンドライト相の樹幹を形成し、その後Biがこの間を埋めていく分布模様が観察された。(4)加熱による試料形状の変化は、全組成試料において明瞭に融解・凝固反応の形跡を確認できた。(5)DSCピーク形状と固相線/液相線との関係では、微分曲線(DDSC)のピークが液相線温度(融点)と比較的よく一致することがわかった。
菅谷 敏克; 堂野前 寧; 加藤 徳義; 宮崎 仁; 谷本 健一
JNC TN9410 2000-002, 149 Pages, 1999/12
建設計画を進めている固体廃棄物処理技術開発施設(LEDF)では、高線量廃棄物である可燃物、PVC、ゴム、使用済イオン交換樹脂及び不燃物の処理方法として、「インキャン式高周波加熱」を用いた焼却溶融設備(セラミック製の廃棄物収納容器を高周波による誘導加熱で昇温し、容器内の廃棄物を対象物によって焼却・溶融する設備)を計画している。試験は、焼却溶融設備の設備設計の最適化を目的として、処理対象廃棄物に対する処理性能(処理能力、処理条件など)や運転条件及び処理中に発生するオフガス中の放射性核種の除去性能条件、また、焼却溶融後の生成物である溶融固化体の性状(核種、主要構成成分の均一性、固化体の強度など)の確認を行った。試験装置は、LEDFで実際に使用される規模の焼却溶融装置(パイロット装置)を用いた。また、放射性核種を使用したホット試験を要するものについては、実験室規模の機器を用いて行った。以下に、主な試験結果を要約する。(1)パイロット装置を用いて処理能力を確認した結果、可燃物・難燃物に対して6.7kg/h、樹脂に対して13.0kg/h、石膏以外の不燃物に対し30.0kg/hであった。また、このときの処理条件は幾つかのパラメータの中から選定し、運転温度については、可燃物・難燃物が1000、樹脂が1300、不燃物は1500、燃焼空気については、空気量は90Nmの3乗/h、空気温度は300、吹き込み速度は約20m/sが最適であった。(2)焼却溶融設備に必要な処理量が得られる一日の運転時間を確認した結果、可燃物、PVCやゴムなどの焼却対象廃棄物の焼却時間は5時間、焼却前後のキャニスタ昇温、残燃時間は各30分必要であった。不燃物などの溶融時間は、焼却灰の保持時間と石膏の溶融時間を考慮して5時間、キャニスタ昇温時間30分が必要であった。(3)パイロット装置により焼却溶融炉からセラミックフィルターまでの系統除染係数を確認したところ、実廃棄物の主要非揮発性核種(Co、Cs、Ce)に対し、10の5乗以上であった。(4)実験室規模の機器を用いて、高温オフガス中の揮発性ルテニウムを除去する高温Ru吸着塔の設計条件を確認した結果、粒径0.8から1.7mmの鉄担持シリカゲルに対して、滞留時間3秒以上を確保することで、除染係数10の3乗が得られるとともに、吸着材寿命は約1年であることがわかっ
山本 一也; 櫛田 尚也; 小泉 敦裕
JNC TN9400 2000-029, 87 Pages, 1999/11
「常陽」における燃料溶融限界線出力試験(PTM: Power-To-Melt試験)であるPTM-2試験に供せられた試験体B5D-2の試験燃料ピン24本について、燃料溶融限界線出力評価に資するために照射後燃料の試験方法を確立し、その試験結果の妥当性評価を実施した。本研究により、以下の結果が得られた。・試験によって確認されたB5D-2の線出力ピーク部位における最大燃料溶融割合は10.7%で、「常陽」PTM試験の最大燃料溶融割合制限値20%の約半分であった。線出力ピーク部位以外の部位において最大の燃料溶融割合が認められ、11.8%に達していたが、これは溶融燃料が移動し、二次溶融が発生したものと考えられる。・PTM試験評価において決め手となる燃料溶融境界の判定は、基本的に金相組織観察によって可能であるが、金相組織だけでは判別の困難なケースでは、X線マイクロアナライザーによるPu分布分析を組合せて評価することが非常に有効である。・燃料溶融境界における線出力値に与える燃料ペレット密度の効果は過去の報告よりも大きいことが示唆されたが、燃料ペレット-被覆管ギャップやO/M比の依存性については明確には認められなかった。さらに、被覆管内面温度の影響やタグガスの影響についても本試験では認められなかった。
吉田 英一; 青砥 紀身; 平川 康; 田所 裕
JNC TN9400 2000-024, 42 Pages, 1999/10
大気環境中へのナトリウム漏えい燃焼時における炭素鋼SM400B-JIS G3106(床ライナ材等)の腐食減肉評価の信頼性を高めることを目的に、腐食速度評価線の見直しを行った。見直しは、ナトリウム漏えい燃焼環境のひとつである溶融塩型腐食(NaOH-NaO系)について、現行腐食減肉速度評価線の策定後に追加・取得された実験データ(550900C)を用いて実施した。実験結果に基づき、以下のような考え方で評価を行った。(1)NaOH-NaO系の環境中では、炭素鋼の腐食量は時間に比例して増大した。このため、直線則として評価した。(2)腐食減肉速度への実験雰囲気(大気、不活性ガス)や試薬攪拌の明瞭な影響は、認められなかったため、同等に取り扱い評価した。(3)腐食減肉速度は一定NaO濃度以下になると、低下する傾向がみられた。このため、実験中におけるNaO濃度は、Fe(炭素鋼試験片)とNaOとの支配的な反応を維持するために必要な限界濃度以上であることとした。評価の結果、追加されたデータ点数は67点となり、現行評価線に用いた評価データ38点を加えると、合計105点となった。105点を用いてArrhenius Typeで整理し、統計的な評価を行い、以下の腐食減肉速度評価式を得た。CR=C・exp(-Q/RT)ここで、CR:腐食減肉速度,mm/hC:定数Q:活性化エネルギ, cal/molR:気体定数, 1.986cal/mol kT:絶対温度, KQ=9.61kcal/molC=148.29(平均), 262.11(99%信頼上限), 83.90(99%信頼下限)
岩佐 薫; 椎名 保顕; 稲垣 照美*
可視化情報学会誌, 19(75), p.41 - 45, 1999/10
円筒内蓄熱カプセル内相変化流体の自然対流及び強制対流による融解過程を、可視化を含む実験及び解析により調べた。実験ではカプセルとしてアクリル容器を、流体として水を用いた。また、表面熱伝達率一定とした融解解析を行い、実験との比較を行った。自然対流による融解の場合、カプセル径が小さい場合には実験と解析はほぼ一致するが、カプセル径が大きくなるとカプセル内自然対流の影響が顕著になり、両者の不一致は大きくなる。また、表面温度の不均一は小さく、相変化界面形状の非対称性は小さい。強制対流による融解の場合、表面熱伝達率の非一様性が大きいため、界面形状は非対称となる。また、表面温度の不均一性が大きくなるため、融解特性を評価するには、表面熱伝達率非一様の影響を考慮する必要がある。
岡安 悟; 朝岡 秀人
Physica C, 317-318, p.633 - 636, 1999/05
被引用回数:4 パーセンタイル:28.64(Physics, Applied)ある温度以上の領域では、一度消失したように見えた臨界電流密度Jcが再びさらに高い磁場で復活するという「リエントラント」な現象を、双晶のないYBCO超伝導体において見出した。このリエントラントを示す境界線が相転移かどうか、また相転移であるならば、何次のものであるのかを調べるため、交流磁化率の非線型な応答を調べることで研究した。その結果、この境界線は、既に1次相転移線として知られている磁束の液体~固体の融解曲線と極めて良く似た性質を示すことがわかった。このことは問題の境界線が一次の相転移線を示す直接の証拠ではないものの、その可能性を強く示唆するものである。
深野 義隆; 佐藤 一憲
PNC TN9410 98-058, 12 Pages, 1998/06
CABRI-RAFT計画のRB1試験結果に基づき、より進んだ燃料溶融での冷却材中への溶融燃料放出挙動の観察及び放出燃料の冷却性を確認するRB2試験を実施することがパートナー間で合意された。本研究では、特別な人工欠陥を施したピンの燃料熱条件を反映したRB1試験の予備的試験解析をまず実施し、このRB1試験の解析に基いてRB2試験の事前解析を実施した。この事前解析では、出力及び冷却材の流量履歴、人工欠陥の軸方向位置をパラメータとし、試験目的を充足する最適な試験条件を提案した。
深野 義隆; 佐藤 一憲
PNC TN9410 98-057, 55 Pages, 1998/05
CABRI-2及び、CABRI-FAST試験、EBR-II TOPI-1E試験、以前のTREAT試験等、既存の炉内ランプ型過出力試験(以下スローTOPと呼ぶ)のデータを広範にサーベイし、燃料破損限界に係わるこれらの試験データを統一的に説明し得る解釈を得た。これにより基本的な燃料ピン破損メカニズムが把握でき、低中スミア密度燃料ではFCMIが緩和され高い破損限界が得られることを確認した。このような低中スミア密度燃料の高い破損限界は、(1)燃料内の気相空間による燃料熱膨張及びスウェリングの吸収、(2)自由空間への早期ガス放出によるスウェリングの抑制、及び(3)燃料溶融時の溶融領域圧力の抑制の3つの主要な効果によるものであると考えられる。これらの効果を過渡時燃料挙動解析コードPAPAS-2Sのモデルに反映するとともに、既存スローTOP試験の解析に適用した。その結果、試験結果との整合性が確認され、前述の考え方の妥当性が示唆された。
馬場 恒孝; 萩谷 弘通*; 田村 行人; 妹尾 宗明*; 米澤 仲四郎; Carter, P.*
Analytical Sciences, 14, p.389 - 394, 1998/04
被引用回数:11 パーセンタイル:38.78(Chemistry, Analytical)セラフィールドのウィンズケールガラス固化プラントで作製された、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の化学組成を誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)による定量分析によって決定した。化学分析は日本原子力研究所のホットセル及びグローブボックス内で実施した。ガラス固化体試料は、SiとBの定量のための過酸化ナトリウム融解法及びLi,Na,Mg,Al,P,Cr,Fe,Ni,Sr,Zr,Mo,La,Ce,Nd及びUの定量のためのフッ化水素酸一過塩素酸を用いた酸分解法によって、それぞれ溶液に調製された。並行して実施したガラス標準試料(NIST SRM-1412)及び非放射性模擬ガラス固化体の分析データによって、本分析法の信頼性を示すことができた。高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の分析結果は、ガラス固化に用いた高レベル放射性廃液及びガラスフリットの分析データをもとに英国核燃料会社(BNFL)が推算した値と良く一致した。